私がまだ開業したての頃、ある関係からの紹介で相続の相談がありました。
亡くなられた方は、かなりの資産家で確実に相続税申告の対象となる案件であり、申告期限も迫っているにも関わらず長男が何もしないので、税理士から申告期限を盾に長男が動くよう指導してほしいという内容でした。
申告期限が迫っていたこともあり、早く申告してあげなければ、という思いで申告業務を請け負いました。
ところが、長男が動かないのには理由があったのです。
遺産分割に不満があり兄弟(4人、それぞれ配偶者あり)間でかなり争っていて口を出せる状態ではありませんでした。
結果は未分割での申告、そして調停にかけてやっと整ったというものでした。 そもそもの間違いは、申告期限を盾にすれば皆、妥協するだろうという甘い考え、そして私が税理士としての立ち位置を依頼者に正確に伝えられなかったことにつきます。
当NPO法人には税理士のみならず各専門家が揃っておりますのでこのような相談には的確な対応が可能だと思います。
(担当 税理士 恒川 豊)